企業の排出量購入促進 温暖化対策法改正案(東京新聞)

企業の排出量購入促進 温暖化対策法改正案 温室効果ガス算定を義務付け

2008年2月29日 夕刊

政府は二十九日、京都議定書を確実に実行するための地球温暖化対策推進法の改正案をまとめた。二酸化炭素(CO2)の排出量が増加傾向にある家庭やオフィスでの対策強化が主眼。企業が、外国のプロジェクトがCO2を削減した排出量を購入し、自社の削減分に割り当てる「クリーン開発メカニズム(CDM)」の促進などを掲げている。

改正案は、家庭、オフィス部門での削減策として、電力消費の多い白熱灯から蛍光灯への切り替えの促進、都市ガスを用いて発電し、その際に発生する廃熱を冷暖房や給湯、蒸気といった用途に利用する省エネルギーシステム「コージェネレーション」などの高効率設備の導入促進を求めている。

日常生活での対策を進める方法として、事業者に温室効果ガスの排出が少ない製品を製造するよう要求。消費者が購入する製品が、どの程度の温室効果ガスを排出するのかを「見える」形で情報提供するよう定めている。

また、温室効果ガスの排出量の算定や報告を企業やフランチャイズチェーンに義務付けている。

京都議定書で認められている森林整備事業によるCO2削減策は、植林などの場合、枯れるなどの理由で、森林面積が減少する場合があり、国際的な報告、承認に向け、より正確な管理を定めている。

さらにCDMでは、促進とともに、この排出量が企業から国に移転された場合、精度を評価した上で公表するとしている。

今国会での採決を経て来年四月一日からの施行を予定している。

<地球温暖化対策推進法> 日本を含む先進国に温室効果ガスの排出削減を義務付けた京都議定書の採択を受け、1998年に成立した。国や地方自治体、事業者、国民の排出抑制に向けた責務などを明記している。業務部門や家庭部門の排出増加が著しく、議定書の目標達成は厳しいのが現状で、政府は改正で新たな法的措置を盛りこみ、確実な排出削減につなげる必要があるとしている